熊本刑務所之廟  熊本市黒髪2丁目 (2006年8月16日撮影)


 熊本大学工学部3号館辺りの裏側の河川沿いに公園があり、その奥まった所に「熊本刑務所之廟」 という表札を掲げた墓地がある。公園の生い茂った草木の陰になって堤防道からはわかりにくい所にあるが、同公園に住み着い ていると思われるおじさんに聞いて訪ねてみた。ひっそりとした小さな墓地であるが、中はきれいに整備されていた。

 この一角に、三池刑務所の「合葬之碑」が建てられている。「三池刑務所在所中死亡者2468名」「昭和9年3月建立 熊本刑務所」 とある。

 福岡県大牟田市の笹林公園に建つ「三池炭山創業碑」の碑文にも「明治16年三池集治監(注:三池刑務所のこと)を置かるる に及び、専ら其囚徒を用ふ」とあるように、三池炭鉱の発展は、囚人を炭鉱労働者として使役したところにあったようである。 その囚人労働も昭和6年3月に終わり、三池刑務所も事実上、廃監された。その時のほとんどの在監者が熊本刑務所に移監され、 そのゆかりから熊本刑務所がここ「熊本刑務所之廟」に、三池刑務所の「合葬之碑」を建立したものと思われる。

 亡くなっても引き取り手がなかった遺骨は無縁仏として集められ、合葬之碑の下に眠る。しかし中には、炭鉱周辺の藪の赤土 の中に無造作に捨てられた囚人労働者もいたようである。
 実際、福岡県大牟田市新勝立町一丁目付近の工業団地造成地から遺体数十体が見つかっており、炭鉱囚人労働者の遺骨として、 市民グループの手によって丘の上に解脱塔が建てられている。


熊本刑務所之廟

 

三池刑務所の「合葬之碑」

 

三池刑務所の「合葬之碑」

 

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