【ある女坑夫の半生】

【作詞・作曲・唄:高津東吾】
1 やっと乳ばふくらんできよった 14の春やっちゃろか
  女郎になりとうないき 女坑夫になったとですばい

  うちゃ 学校出とらん 難しいこたあ いっちょん判らんたい
  ばってんうちゃ 跡間やったき  必死に働いたとですばい
  若い衆はみな兵隊にとられ うちのお父ちゃんも満州へ行きおった
  だけんうちゃ 腰にマブベコ 背中にスラ引いたとですばい

  気がつきゃ うちゃ もう年ばい それでん今は幸せですたい
  この幸せば もう誰にも この幸せば渡しとうはない

2 うちゃ乳飲み子を抱えて 食うのがやっとやったとばい
  だけん他人(ひと)にゃ よう言えん 辛かろうかことも多かったとですばい
  国のためや言うて夜中まで 石炭(すみ)ば掘りよったとですばい
  お父ちゃんの骨もまだ還らん うちゃもう涙も ようでらん
  一生懸命縫うてもろた千人針もいっちょん役にたたん
  一人息子を学校に出せんやった それだけですたい 切ないもんちゃ

  気がつきゃ うちゃ もう年ばい それでん今は幸せですたい
  この幸せば もう誰にも この幸せば渡しとうはない

  やっと乳ばふくらんできよった 14の春やっちゃろか
  女郎になりとうないき 女坑夫になったとですばい

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

 42歳で亡くなった高津東吾さんが元女坑夫の人たちの話から拾い書きして出来た作品。昭和56年、31歳の時、この唄で NHKに出演したこともある。