ヨイトマケの唄

♪♪♪♪♪MIDI by エーちゃん♪♪♪♪

【 うた:美輪明宏、作詞・作曲:丸山明宏 】

 今も聞こえる ヨイトマケの唄
 今も聞こえる あの子守唄

 工事現場の昼休み
 たばこふかして 目を閉じりゃ
 聞こえてくるよ あの唄が
 働く土方の あの唄が
 貧しい土方の あの唄が

 子供の頃に小学校で
 ヨイトマケの子供 きたない子供と
 いじめぬかれて はやされて
 くやし涙に暮れながら
 泣いて帰った道すがら
 母ちゃんの働くとこを見た
 母ちゃんの働くとこを見た

 姉さんかぶりで 泥にまみれて
 日にやけながら 汗を流して
 男に混じって ツナを引き
 天に向かって 声をあげて
 力の限り 唄ってた
 母ちゃんの働くとこを見た
 母ちゃんの働くとこを見た

 なぐさめてもらおう 抱いてもらおうと
 息をはずませ 帰ってはきたが
 母ちゃんの姿 見たときに
 泣いた涙も忘れ果て
 帰って行ったよ 学校へ
 勉強するよと言いながら
 勉強するよと言いながら

 あれから何年経ったことだろう
 高校も出たし大学も出た
 今じゃ機械の世の中で
 おまけに僕はエンジニア
 苦労苦労で死んでった
 母ちゃん見てくれ この姿
 母ちゃん見てくれ この姿

 何度も僕もぐれかけたけど
 やくざな道は踏まずに済んだ
 どんなきれいな唄よりも
 どんなきれいな声よりも
 僕を励ましなぐさめた
 母ちゃんの唄こそ 世界一
 母ちゃんの唄こそ 世界一

 今も聞こえる ヨイトマケの唄
 今も聞こえる あの子守唄

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

 時は神武景気。美輪さんの美貌は神武以来の美少年とうたわれ、性別を超えた華やかなスタイルで映画や舞台に引っ張りだこでした。 ところが、異常なまでに盛り上がった美輪さんの人気はわずか数年しか続きませんでした。60年に入ると、土地・株が暴落。多額の 借金だけが残りました。落ちぶれたスターと呼ばれ、地方巡業の仕事ばかりとなった美輪さん。そんな時、ある炭鉱の町で舞台に立ち ます。
 「穴ぼこだらけの舞台に何度か細いハイヒールのかかとをめり込ませながら、あきらめ顔、ヤケッパチで歌っていたら、すぐ足元 まで鈴なりになっている老若男女の顔、顔、顔の絵巻を見た時に、私は言いようのない戦りつを受けた。私は何をしているのだろう。 この人たちの命を削って得た金で鼻歌を歌っているのだ。私はにわかに自分の贅沢に着飾ったクジャクのようなザマが異様な道化師の ように思えた。最後まで必死に努めるのがやっとだった。」
 美輪さんの胸に、小学生の頃に見た光景がよみがえりました。家族のために汗まみれになって働く母親たちの姿です。美輪さんはそ の想い出を曲にし、きらびやかな衣装やメイクを取り去って歌い始めました。その時に出来た作品がこの「ヨイトマケの唄」でした。
 (NHK放送「美輪明宏・一番美しいもの」より)